今年2022年の4月1日より自転車の保険加入が義務化されます。
今のところ罰則は無い効力の弱い条例ですが、義務化された以上は必ず加入しましょう。実際に事故を起こして無保険だった場合人生ゲームオーバーです。
というのも自転車の性能が飛躍的に上がっているの対し、道路の整備も追いついていなければヘルメット等の防具を着用している人も少ないのが現状ですので、
安全運転はもちろんですがしっかり保険に入って『車両を運転している自覚』を持ちましょうって条例だと思ってます。
本記事での注意事項
※自転車損害賠償責任保障という言葉を乱用すると文章がややこしくなるので本記事内では「保険」と記載させていただきます。
今回の秋田県自転車条例の対象となる人
秋田県に住んでいる自転車に乗る人の全てが対象です。
阿仁や東成瀬に住んでる実家のおばあちゃんおじいちゃんでも「秋田県民」であれば必ず何かしらの「保険」に加入する事が義務付けられます。
たとえ白神山地で山籠もりをしてても自転車を使う以上は「保険」に加入しなければなりません!
自転車とは?
シティサイクル・クロスバイク・ロードバイク・ミニベロ・マウンテン・ピストバイク・シクロクロス・BMX....と種類が沢山ありますが、定義としては
ペダル又はハンド・クランクを用い、人の力によって運転する二輪以上の車であって、身体障害者用の車椅子、歩行補助車、小児用の車等を除いたものをいいます。
ちなみに一輪車、小児用三輪車、キックボードは自転車に該当しませんが、電動アシスト付き自転車・大人用三輪車は「自転車」です。
保険に入らないといけない理由
メインの理由としては「相手をケガさせた・障害を負わせた・死亡させた際の賠償金」を支払うためです。
というのも実際起きた事故で1億円程の支払判決が出た事例もあります。
現在秋田県の道路事情としては「自転車レーン」といわれるものは非常に狭く少ないです。また車道外側線の内側もしくは車道の左端を走る事になっていますが、
車道外側線はガタガタ、車道を走れば邪魔者扱い、結局歩道を走ってる。こんなシーンはザラだし、正直この環境だと歩道走るの仕方ないんじゃない?って思ってます。
この環境下で自転車を使うからには人を轢く可能性を十分にはらんでいるので絶対に「なんらかの賠償対策」が必要なんです。
自転車保険の種類をざっくり説明
一番大事な事は「事故を起こさない安全運転」ですが、ここでは保険と今回の条例の話とさせてもらいます。
加入義務になる自転車の保険には何個か種類かあります。条例上はこの中から最低一つ入っていればOKという事になります。
保険の種類 | 保険が掛かる対象 | 整備・点検の必要性 | 保険充実度 |
---|---|---|---|
TSマーク【赤】 | 自転車【車両】 | 1年に1度必要 | △ |
自動車・火災保険等の付帯特約 | 自分【人】 | 必要無し | 〇~◎ |
自転車保険 | 自分【人】 | 必要無し | 〇~◎ |
ざっくり種類を分けるとこんな感じです。
TSマーク【赤】だと車両自体に保険が掛かるので「その自転車に誰が乗ってもOK」というメリットがあります。
そして1年に1度の更新時に点検・整備の義務があるので「自転車安全整備士の資格を持ったプロ」に見てもらう必要があり、自転車を安全な状態にしてもらえる。これは事故が起きた時というより整備不良から起きる事故を防ぐことが出来るのが最大のメリットだと思ってます。
自動車・火災保険の特約や自転車保険は自分自身に保険を掛けるので「自分がどの自転車に乗ってもOK」というメリットがあります。
TSマーク以外は点検義務が無いので、自分で時期を決めて自転車屋さんにもっていくなど自転車の状態をきっちり管理する必要があります。
しかし付帯特約や自転車保険はお金をかければかける程保証が厚くなるので自分のリスク許容度と予算で内容をカスタマイズできるのがいい所ですね。
TSマークは個人的にあまりお勧めできない
秋田県自転車条例では若干TSマークを推している感を個人的に感じるんだけど、
俺個人としては「保険」としては微妙じゃない?って思ってます。
もちろんTSマークは毎年必ず整備・点検を行う事で「事故予防」としてはとてもいい仕事をしてくれます。
といっても万が一事故を起こした場合の「補償の対象となるケガの具合」のハードルが高すぎるんですよね。
賠償責任補償に関しては「死亡もしくは重度後遺障害1級~7級の場合」が対象とありますが、
この重度後遺障害1級~7級を正しく理解してる人はいるでしょうか。ちょっと怖い表現ですが、
8級だと「親指ともう1本の指を失う、もしくは親指以外の3本の指を失う」「片方の足の指全てを失う」となります。
これ程の大ケガでも1級~7級に分類されない為、TSマークでは補償する事ができません。実費となります。
8級相当のケガの慰謝料
大体の目安として、20代・会社員・男性の指3本を失うようなケガをさせてしまった場合は、慰謝料が830万+後遺障害の補償が1000万~3000万以上支払う可能性があります。
あなたはこの金額を支払う事ができるでしょうか。一般的な金銭感覚であれば厳しいんではないでしょうか。俺なら人生終了です。
そして1級~7級はもっと重度のケガを指しますので如何に補償のハードルが高いか?という事がお分かりいただけたかと思います。
オススメの自転車損害賠償責任保障は何か
これはずばり「民間の保険」「生命保険等に付帯した特約」になります。
個人的には楽天の自転車保険なんかでいいと思います。楽天ポイントで支払えるので俺はコレに入ってます。
月額800円程度でTSとは比較にならない充実した補償内容にできる上に夫婦・家族でもプランだと更に安くなります。
確率小・損失大の自転車事故なのでこれぐらいお金をかけるのは妥当だと思ってます。
他にはau損保のBycleや東京海上日動「eサイクル保険」でも全然OKですね。
モチロン自分で入っている生命保険・自動車保険・火災保険の特約なんかもあると思いますので「自分が加入している保険に自転車保険の特約があるか」を確認してみてください。
会社がTSマークゴリ押しの場合
自転車屋さんの友人の話だと、今回の条例にてお客さんが殺到していて
「会社でTSマークを貼ってくれと言われた」「TSマークじゃないとダメ」というお客さんが多いようで説明に困っている様でした。
今回の秋田県自転車条例は
- 個人賠償責任保険【自分の保険の特約】
- 団体保険【会社の団体保険・PTA保険】
- 共済【全労災・県民共済】
- クレジットカードの付帯保険
- TSマークの付帯保険
のどれか一つに入っていればOK!だという事を上司に根気強く説明しましょう。
たぶん上司も言われてやってるだけで自転車保険への理解が無いと思いますので中々難しいと思います。
そんな時は会社にこのパンフレットを持って行って渡してあげましょう。
「保険」に入ってない自転車での出勤・通学は絶対に認められないですが「TSマークじゃないといけない」という決まりは無いですからね。
個人で保険に入って定期的にメンテナンスしてるのに「赤TSマーク貼れ」とかお金と時間の無駄です。
あとこれを丁寧に説明してくれる自転車屋さんは本当にいいお店ですので一つの判断基準にしてみてください。
皆さんの自転車生活がより安全で快適になる事をお祈りして今回はおわりま~す。